曲 名 ( 下の曲名クリックしても演奏が聞けます。)
解 説

イヴァノヴィチ

ルーマニヤの首都を流れるドナウ川

ルマニア南部を流れるドナウ川

 イヴァノヴィチ(1845-1902)はルーマニアの作曲家・指揮者で、ガラツィとブクレシュティーの軍楽隊長をやっていました。作曲した作品には、ファンファーレ、行進曲、ワルツなどがありますが、この「ドナウ川のさざ波」だけが際立って有名になりました。それにはこの曲の出来が良かっただけでなく、1889年のパリ万博の作曲コンクールで、この曲が一等賞を獲得し、各地で演奏されるという幸運に恵まれたからでした。
 日本へは明治35年頃に、この曲が入ってきていて、当時の中等唱歌では「ダニューブ川のさざ波」として、日本の自然を歌った歌詞で歌われ、わが国で管弦楽の演奏が出来るようになった頃から、この曲は機会あるごとに長い間演奏され続け、レコードにもなりましたので、ほんとうに多くの人がこの曲を聞いていて、これをを知らない人は少ないと思います。哀愁を帯びたロマンチックなこのワルツは日本人の心を捉え、自国の音楽のように長年に亘って愛されてきました。戦後間もない頃の中学校の教科書にも、2部合唱でこの曲が登場しました。 イヴァノヴィチの他の曲には「カルメンシルヴァー」 というワルツがありましたが、今ではこの曲が演奏されることは殆んどありません。