フレデリック・フランソワ・ショパン(1810-1849)は、ポーランド生まれの作曲家・ピアノ奏者、39年の短い生涯のほとんどをピアノ曲の作曲と演奏に捧げ、ピアノの詩人と呼ばれています。生存中には、その名声がヨーロッパ全域に広まっていましたが、特にピアノ音楽の作曲では、様々な音楽の形式、誰もまねできない美しい旋律(メロディー)、半音階的な巧みな和声法などを使って、ピアノの音楽の表現を豊かにし、それまでになかった新しい可能性を切り開いた偉大な作曲家ですが、もちろんピアノ奏者としても超一流で、花の都パリで、ハンガリー出身のリストと競い合ったこともありました。
【ワルツ作品64-1(小犬のワルツ)】 はショパンと親交があった作家のジョルジュサンドが飼っていた小犬が自分の尻尾を追いかけて、ぐるぐる回る光景にヒントを得たと伝えられていますし、【ワルツ作品34-3(小猫のワルツ)】
は、この曲の中間部で付点2分音符2個に続いて、装飾音符付の4分音符6個が駆け上がるフレーズが何度か繰り返されるところが、小猫が「ミャーオ」と鳴いてから、壁で爪を掻く姿を連想させたという説があります。以上を参考にしてこの2曲を聞いてみて下さい。
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