今ではゴセック(1734-1829)の名はヴァイオリン独奏のこの曲によって知られていますが、音楽の歴史の中でのゴセックは、フランスの器楽、特に交響曲の発展に大きな役割を果たした作曲家で、30曲近くの交響曲の作曲以外にも数多くの作品を残していますが、彼はパリ音楽院の開校とともに、作曲科の教授に招かれ、音楽教育家としても大きな業績を残しました。ゴセックの肖像画は今でも、このパリ音楽院の一室に飾ってあるということです。
この曲はヴァイオリンを習ったことのある人は、殆んどの人が弾いた経験をもっておられるようですが、明るく優雅な表情をもち、思わず口ずさみたくなるような愛らしい小品だと思います。「ガボット」についてはラモーの「ガボット」などで前に出てきましたので、ここでは解説を省略します。
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