クラヴサンとラモー
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左の写真の鍵盤楽器はフランス語でクラヴサン、イタリヤ語でチェンバロ、英語ではハープシコードと呼びますが、ピアノのが張力の強い弦をはハンマーで叩いて音を出すのとちがって、ピアノの弦よりも低く張られた弦を、爪のようなものでひっかいて音を出すようになっています。このクラヴサン(チェンバロ)はピアノのような大きな音で強弱の変化をつけて演奏することはできませんが、演奏する時に一度に弾く弦の数を増やしたり、違った弦で弾くこともできますので、古い時代にふさわしい味わいのある音楽を演奏をすることができます。
フランスの作曲家ラモー(1683-1764) は、いくつかの歌劇の名作を作曲したり、鍵盤楽器(クラヴサン)などの曲集も出版していて、今でも演奏される名曲が何曲か残されていますが、彼のクラヴサンの曲には人をはっとさせるような優れたリズムの扱いがあったり、明快で分かりやすい和音が使われていて、作曲されてから300年も経った今でもいくつかの曲が、ポピュラーな名曲として演奏されていますが、この曲は1731年に出版された「クラヴサン曲集」の第二組曲に入っており、ト短調(♭二つ)で4分の3拍子、111小節という、クラヴサン曲としては例外の長さで、かなり高い演奏技術が必要な曲ですので、ピアノやチェンバロの演奏会用にとりあげられることも多いのです。いうまでもなく、雌鳥(めんどり)の鳴き声をテーマにした名曲で、ほかに、これほど分かりやすい曲も少ないと思われます。 |