ロッシーニ(1792-1868)はイタリアの作曲家で歌劇の作曲が得意であり、一生の間に38曲もの歌劇を作曲していますが、このウイリアムテルは彼の代表作といわれるほど有名な作品です。しかし、この歌劇を全部見ようとすると5時間以上もかかることから、今では歌劇全部が上演されることは稀で、歌劇がはじまる前に演奏されるこの「序曲」の部分だけが演奏されることが殆どのようです。
ウイリアムテルの物語りはゲーテと並んでドイツ最大の詩人といわれたシラー(シルレル)の劇をもとに、フランス人のド・ジュイという人が歌劇(オペラ)用に脚色したもので、四幕五場でできていて、主人公のウイリアム・テルはスイス独立のために戦ったと伝えられていますが、これは伝説上の人物ですから、シラーはこの人物を中心にしてスイスの人々独立への盛り上がりを表現しています。
この歌劇の初演は1829年にパリのオペラ座で行われ、ロッシーニの歌劇は光に満ち、美しいメロディーにあふれ、人物の描き方も生き生きとしていると大好評だったようですが、ここまでくるのには大変な困難とこれを乗り越えると努力がありました。
左はウイリアムテルと 子どもの銅像
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