ハイドンは100曲以上の交響曲を作曲し交響曲の父といわれていますが、独奏楽器とオーケストラとが共演する協奏曲も30曲以上を作曲しています。
このトランペット協奏曲は
1796年に作曲されていますが、その頃に、それまでは信号ラッパのうような演奏しかできなかったトランペットが改良されて、半音の操作などもできやすくなったことと、ハイドンの終わりの頃の作曲技術が完成した時期とが重なって、このような名曲が生まれたように思われます。
モーツァルトのホルン協奏曲やベートヴェンの田園交響曲にも出てきたように、第一主題と第二主題が順番にでてきて、それが発展する部分や再び出てくるところがありますが、終わりの方で半分終わった感じでオーケストラの演奏がなくなり、トランペットだけが独奏をする「カデンツァ」というトランペット奏者(独奏者)の演奏技術の見せ場があり、これが終わるとトランペットとオーケストラが最後の5小節を演奏して曲を集結します。ハイドンらしい整った曲の構成の中で、親しみやすく、いいきいきとした演奏を楽しむことができる名曲だと思います。
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