この曲の原曲はアメリカのコンヴァースが作曲した讃美歌312番「いつくしみ深き友なるイエスは‥‥」です。
子どもの時この歌を歌ったり聞いたりして、爽やかで神秘的な歌だという印象が残っているが、特に2番の歌詞が、このようになっていたことを初めて知った。明治43年頃に宇宙は永遠で神秘的なものに感ずることは当然だが、一番の「人知は果てなし無窮の遠(おち)に、いざ其の星影、きわめも行かん。」と二番の「仰ぎて眺むる。万里のあなた、いざ竿させや。窮理の船に。」の部分に見られる、未知の世界、科学への挑戦姿勢に圧倒される思いがした。唱歌を教訓的に使った明治唱歌の意図が色濃く反映した歌とも言えるが、それにしてもメロディーと歌詞がよく調和した美しく品格のある唱歌で、これほど長く歌われてきた歌も少ないが、今でも小・中学校の音楽教科書に掲載されている。
杉谷代水(1874〜1914) 編集者 詩人
鳥取県境港市の出身。東京専門学校(早稲田大学の前身)中退後、出版社に入り、小学校国語読本等の編集で画期的仕事をしたといわれている。新体詩・小説・戯曲などの作品も残し、芳賀矢一との共著「作文講話及文範」(上下)がよく読まれたといわれている。
コンヴァース(Charless Crozat Converse 1789〜1860)
アメリカ人で作曲家と弁護士を兼ね、法学博士だったということが伝えられているが、ほかの事はよくわかっていない。
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