文部省唱歌 「 冬の夜 」
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雪国ならずとも雪が積もる地域であれば情景がありありと目に浮かぶ歌詞だが、終戦時に小学校6年生だった私は、この唱歌を習った覚えはない。記録によると昭和16年までは小学校の教科書に載っていたということなので、恐らく戦時体制の中で軍歌を歌うことが多く、この歌を習わなかったものと思う。 しかし、昔は親や兄弟 が歌っている唱歌を年下の子が覚えることも多かったので、歌詞は不確かでもメロディーだけはしかっり覚えていた。2番の歌詞の「過ぎし軍の手柄を語る」の部分は、戦後になって「過ぎし昔の思い出語る」に改められたが、時代の変化とともに、この歌詞の情景もだんだん忘れ去られていき、今では唱歌を懐かしむ高齢者の方の愛唱歌として歌われるくらいになってしまった。しかし、この歌が大正から終戦にかけての唱歌の名曲であることには間違いない。 |