千家尊福作詞 上真行作曲 「一月一日」

 第二次世界大戦が終わる年(昭和16年)に小学校2年生以上だった人(今年65歳以上の人)は1月1日に学校へ集まって式に参列し、この歌を歌った経験があると思いますが、私の記憶でも雪が積もった又は路面が凍てつく2キロを越す道のりを足袋を履いて下駄履きで出かけるのは、小さい子どもにとってはなかなな大変な登校でしたが、こうした寒中に朝早くから儀式に参加する子どもの気持ちに応えて、全国どこの市町村でも記念のお菓子を渡していたようで、金田一春彦氏と長田暁二氏は落雁のお菓子をもらったと書いておられるが、私は田舎だったので、紅白の饅頭をむらっていた記憶があります。戦時中のほんとうに物資がなかった時代でも、この習慣は続けられていたように思います。 それから、この歌は小さい子どもでもすぐ覚えられるものだったので、替え歌にして歌っていたことを覚えてします。例えば松竹立てて門ごとにを、松竹でんぐりかえって大騒ぎというように。
 この歌の2番の歌詞は下記のようになっていますが、戦時が強いので歌う画面の歌詞では省略しました

     2)初日のひかり さし出でて
       四方(よも) に輝く 今朝の空
       君がみかげに 比(たぐ)えつつ
       仰ぎ見るこそ 尊けれ

 作詞者の千家尊福(せんけたかとみ:1845〜1918)出雲大社の宮司 、東京府知事、司法大臣等を歴任した人。 作曲者の上 真 行(うえ さねみち:1851〜1937)は宮内庁楽師兼東京音楽学校教授でした。


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