文部省唱歌 「 村の鍛冶屋 」
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私が通っていた小学校の近くに鍛冶屋があって、学校帰りに少し回り道をし、毎日のように、ここの仕事を見ていた覚えがある。当時の鍛冶屋の仕事場は道路から見える場所にあったし、槌の音はかなり遠くまで聞こえていたので、槌の音に誘われて仕事場に近づいて行ったものと思われるが、石炭やコークスが燃え盛る赤々した炎、真っ赤に焼いた鉄の塊を一人が支え、もう一人が大きな槌で力一杯打ちつける様子、鋼(はがね)に焼きを入れて刃物を作る時の真っ赤な鉄片を水の中に入れる音などが、今もありありと思い出される。大抵は一人で黙々と農機具を作ったり修理する姿だったが、鍛冶屋の仕事は当時としては先端的な特殊技術で子どもにとっては憧れの仕事だった訳ある。 飛び散る火花よ、はしる湯玉。 ふいごの風さえ息をもつかず、 仕事に精出す村の鍛冶屋。 鉄より堅いとじまんの腕で、 打ち出す刃物に心こもる。 又、大正から昭和16年度までに小学校4年生だった方は下記のような3番、4番の歌詞まで歌っておられたと思います。
4) 稼ぐに追いつく 貧乏なくて、 尋常小学唱歌(4)
大正1年12月 |