大和田建樹作詞 スコットランド民謡「故郷の空

  原曲はスコットランド民謡 "Comin'throw the rye"で、スコットランド独特の舞曲のリズム(下記楽譜参照 )を使った曲ですが、このリズムを日本風に直し、大和田建樹が原詩とはまったく異なった故郷の父母兄弟や生活の思い出を懐かしむ歌詞をつけていますが、この唱歌が登場する明治の頃の日本では、故郷を遠く離れて他国に遊学又は勤務する人、又は国内でも故郷を遠く離れて勉学に勤 しむ人等が増えたので、この曲は「庭の千草」とともに多くの人に愛され歌い継がれてきた。
 更に、この曲のメロディーが日本に古くから伝えられてきた民謡等の5音音階(陽旋法:レミソラドレ)に近いことから、メロディーとしても当時の日本人の懐かしさがこみ上げてくる感情を高めたものと思われます。

《 大和田建樹(おおわだ たけき)》

(安政4年〜明治43年)    国文学者、歌人(作詞家)     

 愛媛県宇和島に生まれる。幼少の頃より神童で知られ、東京大学講師、東京高等師範学校教授等を歴任した後退職、多彩な作家活動を始め、数々の国文学に関する著書、小学唱歌の作詞等を残した。  生涯に詠んだ和歌は一万首を越えると言われている。

                       <主な小学唱歌の作品>
       
 鉄道唱歌(汽笛一声新橋を‥)、青葉の笛、暁起 、故郷の空、あわれ少女、旅泊 他


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