土井晩翠作詞 滝廉太郎 作曲 「荒城の月」

                   《 歌詞のおよその意味 》

1)春には ここにあった城の高い櫓で花見の宴会が行われ、

  酒を酌み交わした盃(さかずき)に月の光がさし込んでいたことだろう。

  そして、松の古木の間から 月の光がさし込んでいたに違いない。

  あの昔の面影はどこへいってしまったのだろうか。

2)秋には出陣に備えた陣営に霜が降り、

  鳴きながら渡る雁の群れも見えたことだろう。

  出陣を前に、立ち並ぶ剣 を月がひややかに照らしたこともあったであろう。

  あの昔の光は、今はどこへいってしまったのだろう。

3) 今、荒れ果てた城跡を真夜中の月が照らしている。

  この月は昔とは変わっていないが、誰もいないところに光がさし込んでいる。

  石垣には葛(かずら)が生い茂り、松の枝を鳴らす、わびしい風の音だけが聞こえる。

4)天上に出ている月の輝きは変わってはいないが、

  人の世は興亡をくりかえしている。

  こうした世の中の変化を今も写そうとしているのであろうか、

  今、真夜中の月の光が荒れ果てた城址をこうこうと照らしている。   

 「荒城の月」の歌詞の解説は著書等によって随分違いがありますが、私は 「教科書に出てくる歌の言葉 図鑑・5年生の歌(ポプラ社」)」と教育芸術社「中学生の音楽2−3上」の記述を参考に自分の考えでまとめました。

  この曲が作曲された経緯については「花」の項で述べた通りですが、この曲「荒城の月」は、もとは八分音符に言葉の一音を配当した、一小節が|♪(は)♪(る)♪(こ)♪(う)♪(ろ)♪(う)‥の|のようになっていたものを、後に山田耕筰が倍の4分音符を使い、16小節のメロディーに編曲して新しい伴奏を付けた時に、原曲では「はるこうろうの はなのえ(#)んの「え」の音を半音上げて歌っていたものを、ここのシャープをとって演奏するようにしましたので、今では一般には、この編曲が使われるようになっています。しかし、このページの「荒城の月」は原曲で歌っていただくようにしてあります。最近、この曲を原曲で歌う動きが出てきまして、中学校の音楽教科書(教育芸術社)の鑑賞教材にも「荒城の月」の原曲が紹介されています。

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