12) 野口雨情作詞・草川 進作曲「夕焼け小焼け」
  中村雨紅 明治30年(1897)〜昭和47年(1972) 東京の生まれ、本名高井宮吉。大正五年東京府立青山師範学校を卒業、東京都の日暮里町の小学校に奉職。後に日本大学高等師範部国漢科に学ぶ。野口雨情に傾倒して、雨紅(うこう)のペンネームを使いました。大正十二年文化楽社から刊行された『文化楽譜あたらしい童謡その1』に「夕焼小焼」ほかの童謡が掲載されました。この譜面は震災に遭い、そのほとんどを焼失。わずかに残った十数部により「夕焼小焼」が歌い広げられていきました。  
  草川信 明治26年(1893)〜昭和23年(1948) 長野県出身、東京音楽学校卒業。「風」、「汽車ポッポ」、「どこかで春が」、「夕焼け小焼け」 「ゆりかごの歌」で知られる作曲家。鈴木三重吉による雑誌『赤い鳥』は、初め北原白秋、芥川龍之介、島崎藤村などの作家が参加していましたが、その後、成田為三、山田耕筰、中山晋平らの作曲家も加わって童謡創作運動が本格化しました。草川はその中心的な作曲家でした。  この歌が広く一般に普及したのは関東大震災後のことで、夕焼け、鐘の音、鳥、月、星など全国のどこにもある共通の素材を使っ歌詞に素朴な旋律がつくられており、「ふるさと」と同じく自分の土地の歌として、子どもから大人までほんとうによく歌われた思い出の歌です。