15) 野口雨情作詞・中山晋平作曲「証城寺の狸囃子」
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詩人で童謡作詞家であった野口雨情が千葉県木更津市を訪れた時に、童謡の題材にと木更津市内の證誠寺に伝わる『狸囃子伝説』を提供された事がきっかけで、この童謡の作詞を行ったと伝えられています。中山晋平がその歌詞に曲を付けて、大正13年に児童雑誌『金の船』で発表されました。
童謡『証城寺の狸囃子』は千葉県木更津市富士見に実在する寺『證誠寺の狸囃子伝説』を元としていますが、じょうの表記を実在のお寺は誠、童謡のタイトルには城の字を用いているのには諸説があり、野口雨情が作詞の際に参考にした文献『君不去』での表記が間違っていて、間違えだと気付かずそのまま使ったという説もありますが、童謡の歌詞を読んだお寺の関係者から、「お寺の住職がタヌキと一緒に踊るなんて事は無い。」と抗議があったため、 最初から意図的に城の字を使ったようです。証城寺と表記することで架空の寺院としての位置付けをし、全国の子供たちに喜んで歌ってもらいたいという意図からこの表記にしたものと考えられますが、今も木更津に実在する證誠寺は、江戸時代に東京湾に船で出入りする豪商たちが建立した名刹で、この寺の落慶法要では三日三晩に亘って雅楽が奉納されたと伝えられ、この言伝えから狸囃子の歌詞が生まれたと記述した文章を読んだことがあります。今では実在するこのお寺の境内に童謡「証城寺の狸囃子」の記念碑が建てられています。 尚、下記に「證誠寺の狸囃子伝説」について地元の方が書かれた詳しい記述があります。 http://www.ichiraku1.co.jp/kanko/shoujouji/shoujouji.htm |