Pentium4マシンの立ち上げ

そろそろ新しいPCを便利

今まで使っていたPCはPentium3の500Mhz。ゲームをするわけでもないし大して不便はないが、Windowsの起動をもうちょっと速くしたいとか、金がないわけではないのだから最新の技術に少し触れてみたいという動機で、Pentium4のPCを導入することにしました。OSのインストールも、これまでは面倒なのでK6-2-300MHzの時代からアップグレードを繰り返してきたような状態だったのを、久々に1からインストールすることにしました。

え、PC100のSDRAM使えないの?


たまたま、昔間違って購入したμATXのケースがあったので、今回は集積度の高いマザーボードをマイクロATXの箱に入れてコンパクト化を図ることにしました。とりあえず雑誌を購入して調べたところ、Pentium4ではこれまでのメモリは使えないらしい。ま、DDRという安価なタイプが出回っているらしいので安心して店に行きました

購入

あまり何も考えずに店に行きました。とりあえず、μATXでPCIスロットが若干少ないので、グラフィックもEthernetもサウンドもオンボードになっているものを選び、CPUは店員の薦めるままPentium4-2.26GHzの中古。256MBのノーブランドRAM,80GBのHDDとFDDを購入して帰りました。

なんてこった!。電源の互換性もないの?

早速夜中に組み立てたのですが、付属の組み立てマニュアルの、「Pentium4用専用の12V電源コネクタ」のところで手が止まりました。え、そんなんあったっけ?
再び雑誌を取り出すと、どうやら、Pentium4はCPUの電源電流が大きくなったので、5Vや3.3Vからでは電源供給の効率が悪いので、12vから取るようにするため、専用の12Vコネクタから取るように変更したらしい。うちのケースの付属電源にはそんなもんない。さらにWebで調べたら、どうやら古い電源のために、HDDなどの電源コネクタから変換するケーブルがあるらしい。ただし大電流が流れるのでインテルは推奨していないとのころ。この日はとりあえずあきらめ、翌日に変換コネクタを買いに行った。店によっては、「あれは危険だから置かない」といっているところもあり、不安のまま購入。結合部の温度上昇を見ながら使うことにした。

ありゃ? おちる

組み立て後、HDDのフォーマットの時間ももどかしくOSをインストールしようとしたところ、いきなりリブート。OS(Windows2000)インストール中も何度もリブートをします。といてい使い続けられる状態ではありません。

電源が原因か?

webで検索したところ、Pentium4の2.26GHzは70Wぐらいの消費電力があり、電源ユニットで250Wは不足らしい。電圧を測ってみると、確かに12Vが11.3V程度に低下している。
ここであきらめるわけにはいかない。週末、子供の面倒を見た後作業可能な時間には店は開いていない。今この場で解決を図るためには電源の改造しかない、と判断し、ケースから電源をはずし、電圧が低い原因を探ることにした。その結果わかったが、パソコンの安物電源は相当簡易なつくりになっている
とりあえず、回路を読んで、電圧制御フィードバック部の抵抗値を変更し、電圧が3%程度上がるようにしたが、12V系の電圧は変わらず、5系だけが少しあがってしまった。5V系と12V系をある比率で抵抗で合成し、その電圧を一生懸命一定に保つような回路になっているので、12V系と5V系の負荷バランスや、制御の優先度が、本来の用途と異なるためこのなってしまうのである(もともと12Vはそんなに精度がいらない前提で作られている)。また、電圧はあがったもののリブートは改善されなかった
こうなったら電源を交換するしかないと思い、翌日400Wの安物電源を購入、小型ケースの端を少し削って取り付け、動かしてみたが、これでもやはりリブートが起こる。

なんでリブートするの?

リブートのメカニズムがどうしても理解できない。オシロでリブート時の電源電圧をモニタしてても異常は見られない(20MHzオシロで2.26GHzのPentium4と戦うのは無理があるが)。にもかかわらず、PCIのRESET端子には1msec程度のリセットパルスがしっかり発生しているのである

購入店に相談

購入店は量販店でしたが、1ヶ月保障があるというので相談の上、症状の起こるマザーボードをCPUやRAM搭載のまま店に持ち込み、様子を見てもらうことにしました。翌日連絡があり、RAMのエラーが出たのでRAMを同型の別物に交換したとのこと。引き取り、家でインストールの続きをしたが、やはりリブートが起こる

マザーボード交換


論理的に考えてマザーボードが原因のような気がしたので、販売店に頼んでマザーボード交換をしてくれることになった。でも交換してもやはりだめだった。無益にマザーボードを中古品にしてしまい、罪の意識にさいなまれる

memtest.exe

途方にくれてネットの自作PC相談会議室に投げたところ、MEMTESTというメモリチェックツールがあることを教えてもらった。早速ダウンロードして実行すると、レベルを上げるとエラーがうじゃうじゃ出る。とりあえずだめもとでRAMをもう1つのスロットに付け替えてみたら、なぜかエラーが出なくなった

気を取り直してセットアップ

RAM付け替えのせいか安定してきたので、住めるようにセットアップをすることにした。各種アプリをインストールして動かしてみたら、さすがに2.26GHzはなかなか高速である。こどもにキティちゃんのストリーミングを見せたら大いに喜ばれ、調子に乗っていろいろ見せていたら、いきなりブルースクリーンが。
MACHINE_CHECK_EXCEPTION_0x0000009c
Begine_Dump_of_physical_memory

どうやらBIOSがなにか感じてコアダンプをはじめたらしい。ちょうど、どうやって子供を寝せようかと思っていたので、「パソコン疲れちゃったから寝よう」と言って寝かしつけることに成功した。
夜中に、セットアップの続きを行った。ストリーミングもなかなか高速で楽しくなってしまう。矢井田瞳のライブを見ながら、子供の写真を整理する作業をやってみるため、デジカメのUSBドライバをインストールしていたら、またさっきのブルースクリーンが。再起動して再度インストールしたが再現。もう1度やったらちゃんとインストールできた。
まだこのマシンは再現しない不具合を内在しているようだ。戦いは続く

MACHINE_CHECK_EXCEPTIONの意味

さて、この例外を検索で調べてみると、致命的なハードウェアエラーらしい。
原因として挙げられているのは、
・システムバスエラー(なんじゃそりゃ)
・メモリの、パリティやECCなどのエラー
・CPU内蔵キャッシュのエラー
・CPUのキャッシュのTLBエラー
・その他CPUが検出するエラー
・その他メーカごとのエラー
となっている。要するに、ハードウェアレベルで異常が検出されると、int18h割り込みが発生し、それがWindowsでトラップされてブルースクリーンが出るようだ。

RAMの交換

ここで、もっともありがちなのはRAMの異常である。同型の別物に変えたらエラーが減ったという経緯があるだけに気になる。販売店と交渉し、本来ならば相性問題での交換はできないが特別に別物に交換してもらった。
がしかし、ブルースクリーンは出るのである。
出るタイミングとしては、
・プリントアウト開始時
・デバイスドライバ組み込み時
・ストリーム再生時
というように、CPU負荷の比較的高いときに出るようだ。
前述のEXCEPOTIONの理由(これはMSDNのサイトにあったもの)から考ると、RAMは変えても現象が変わらなかったことから除外すると、残るはCPU!?

ドック入り

このままでは、販売店の初期不良交換期間(1ヶ月)が終わってしまうので、とりあえずCPUを持って販売店に行ったところ、「根拠もないのにそんなぽんぽんと交換できないから、セット一式持ってきてほしい」との返事。確かにそのとおりなので、出直して、動作する状態で持参した。これでは、ケースが安物のことや、むりやりマイクロATXケースにATX電源をつけたのでCD-ROMドライブが3mmぐらい飛び出してしまったことがばれてしまうが、この際仕方がない。状況を記したレポートをつけて引き渡した。同行した子供(4歳)には、「パソコン病気だから入院するの」と説明したら、「治るといいねー」と心配してくれた。

そして、真相

数日後、販売店から電話があり、「WinStressテストでリブートが高頻度で再現した。同型の別CPUに交換したら起こらないので、やはりCPUが原因のようだ。ついては無償交換したい」とのこと。この場合は、HDDのみは販売店のものを使っていたので、ずうずうしくも、「ついでに、私のHDDにWinStressをインストールして、店に行くまで動かしておいてくれませんか」と頼んでおいた。
翌日店に行ったところ、無事動作していたとのこと。おそらく、元のCPUの持ち主が、オーバークロックをやってダメージを与え、動作がちょっと不安定になったので知らん振りして売っぱらったのだろうとのこと。
この1ヶ月の間に、Pentium4はずいぶん暴落し、元の2.26GHzの中古購入価格で2.4GHzの新品が買える状況になってしまった。ま、こっちもそこそこ使えていたしマザーボード1枚中古にしてしまったのだから仕方がないかと思っていたら、現行の価格との差額を返金してくれるとのこと。なんか申し訳ないやらありがたいやら。
ワンランク上のCPUをとも思ったが、せっかくストレステストでちゃんと動いているので、返金額にちょっと足してRAMを買ってしまった。

反省点

・市販PCは安定稼動に関しては検証済みである。自作時はリスクを覚悟すること
・中古CPUが意外と要注意
・最初からセットを預ければ最低限の犠牲で早期に解決していた
しかしまぁ、当初の購入動機の1つ、「最新の技術の触れる」というのに関しては、目いっぱい楽しませてもらいました。時間かかったけど

ホームページに戻る
このページへのお問い合わせは、田中まで