05) 野口雨情作詞・本居長世作曲「七つの子」
 作詞の野口雨情はこの童謡の歌詞の中で「帯解(と)き式」という風俗を取り上げ、遠い時代の夢や祈りをおりまぜて詞を作り上げたと言われています。帯解き式は今では殆ど見かけませんが、かっては盛んだったもので、童児の衣服のつけ紐を取って初めて帯を用いるお祝いであり、 男子は5才から9才の間、女子は7才の11月に行っていたことから、この詞の七つは「帯解き式」を迎えた7才の女の子をイメージして、宿命的といえる親の子に対する悲しいまでに 細やかな愛情の世界を、巧みに表現したものだと伝えられています。 しかし、子どもがこの歌を歌う時には、こうした歴史的背景よりも子どもに理解で きる範囲の夢のある解説をしながら歌わせることが大切のように思われます。