07) わらべ歌・本居長世編曲「通りゃんせ」
|
この歌は大正10年(1921)9月に本居長世が松竹合名会社の小雀座の児童歌劇上演の際 に 「移り行く時代」という題名で,各時代の童謡を集めて劇的に構成し、この中で徳川時代 のわらべうたを補正作曲して発表したのが最初だと伝えられています。江戸時代に歌われて いたと思われるものは、もっと単純で素朴なものだったようですが、詞(言葉)の方には、「通り ゃんせ 通りゃんせ 、ちょっと通して下しゃん せ‥‥」 と江戸時代の語法が残っています。 本居長世明治18年(1885)〜昭和20年(1945) 東京出身。国学者本居家に生まれる。東京音楽学校器楽科卒業。明治41年(1908)年に「夢 と月の国」を発表しオペラへの意欲を示したが、後に童謡の創作に専心。雑誌「金の船」に多 数の作品を発表した。彼の童謡には野口雨情の詞によるものが多く、旋律には日本的な要 素が色濃く表わされています。 童謡の代表作には、「赤い靴」、「青い目の人形」、「七つの 子」、 「めえめえ 子山羊」、「十五夜お月さん」。「お山の大将」などの名作が残されていま す。又、 評伝には「金田一春彦著「十五夜お月さんー本居長世、人と」作品」があります。 |