11) 野口雨情作詞・中山晋平作曲「しゃぼん玉」
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この童謡の解説には二つの説がありますので、この二つを併記して紹介しておきます。 1)野口雨情が作曲家の中山晋平や歌手の佐藤千夜子と大正3年に徳島県へ演奏旅行に 行ったとき、その最中に雨情の2才になる長女が病気で亡くなり、長女に捧げた鎮魂歌が このしゃぼん玉の歌詞だったという説があり、「しゃぼん玉」は愛娘の魂を意味します。 2番の歌詞の「生まれてすぐに壊れて消えた」とは、自分娘が生まれてすぐに死んだことを 意味します。「風風吹くなしゃぼんだま とばそ」は天国まで無事魂が成仏できるよう祈った 言葉です。 2)大正9年「金の船」に掲載された詩は、3年後の大正12 年1月に作曲され、中山晋平作 曲集「童謡小曲」第3集で発表されました。第二節の「生まれてすぐに壊れて消えた」の句は、作詞者がとても可愛がっていた親戚の子どもが急病で死んでしまったことを託した もの、と言われています。 尚、「赤い靴」の項でもふれた雨情の長女は明治41年3月に生まれて、すぐ亡くなっ ており、このことは雨情の詳しい「年譜」(春陽堂)にも書かれています。 |