CAMPUS-0

('83〜'84)



CAMPUS-0は、ポリフォニックアナログシンセサイザーの基礎研究の目的で製作したシンセサイザーで、アナログ4音ポリフォニック、専用コントローラ制御でした(MIDIはまたなかった)
製作風景
■音源モジュールの製作

とにかく音源をどんどん作ろうということで、設計もそこそこにはじめました。VCOは、V/FコンバータLM331を用い、鋸歯状波、PWM波、方形波、ノイズが発生可能だったと思います。アンチログ回路は持たず、比例制御でした。VCFはダイオードラダー方式だったと思います。
■制御コンピュータ

これは予備校に行きながら製作したコンピュータで、Z80-2.5MHzを搭載、電卓のキーから16進で直接プログラムを入力して実行します。LEDが16桁あり、演算ライブラリを搭載しています。さらに、外部メディアとしてROMライタを搭載しています。また、ニッカド電池で駆動することができます。パソコンが買えなかったので、これでしばらく実験データの処理などもやっていました。CAMPUS-0の音源制御、シーケンサなどの動作のコントローラとして使用しました。プログラム開発もこのコンピュータを使っていました。
■音源制御基板の製作

音源基板ができたら、音源制御基板を作ります。本シンセサイザーは電圧制御方式のアナログなので、コンピュータ制御をするには電圧発生を行う必要があるので、この基板は、制御用コンピュータからの指示で各音源に供給する電圧を発生します。
写真左の基板の左端にはZ80-CTCが搭載され、マルチタスク制御を行っています。その横あたりにD/Aとアンチログ回路があり、VCOの制御をします。右側基板は、多分VCF,VCAの制御電圧を作っていた基板と思います。一応8音分の制御回路を作りましたが、音源は、83年学園祭時点で4音、後に6音のみ作りました
ラベルをはってある40ピンのICは8255です
■筐体

予算の関係で、筐体は木製です。写真の下層に制御基板が、上層に音源基板が並びます。基板サポートは、角材に鋸で切り込みを入れたところで行っていました
■ソフトウェア

前述のように自作コンピュータしかなく、機械語で直接プログラミングします。デバッグで命令を追加してもアドレスがずれると全部書き直しになるので、ところどころに空白をあけて自衛しながらのプログラムです。Fortran用のプログラミングシートに、Z80の命令表を見ながら命令を手書きし、紙の上でデバッグした上で16進で打ち込みます。
■完成間近

3つあるつまみは、自動演奏の速度、音程(アンチログのバイアス)、音量だったと思います。

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