さまざまな合成方式



1.波形再生方式とモデル合成方式


GS,XG音源に代表される最近のMIDI音源は、ほとんど楽器の波形を大容量メモリに蓄えて、鍵盤を弾くとそれを再生する方式です。これに対して、アナログシンセサイザーや物理モデル音源、FM音源などでは、音をあらかじめ録音しておくのではなく、その場で作り出しています。そのため、より良い音を作る音作りのモデルがいろいろ研究されてきました
・波形再生方式のメリット、デメリット
メリット:
(1)そのものずばりの音が出せる
(2)メモリが安価になったのでコストが安い
デメリット:
(1)音を後から変えられない
(2)演奏中に音に表情をつけるといった細かな細工がその場でできない
※音楽は時間芸術であり、演奏中に感情表現ができることは非常に大切なことだと思います
・モデル合成方式のメリット、デメリット
メリット:
(1)リアルタイムで音にニュアンスをつけたり、変化させたりできる
(2)この世にない新しい音を作り出せる可能性がある
デメリット:
(1)ある程度の不自然さが出ることがある
(2)コストがかかる

2.合成方式の実際

・物理モデル音源
物理モデル合成とは、楽器を物理的にシミュレーションすることによって音を出す方式です。以前は、コンピュータシミュレーションは、高価な大型コンピュータを使っても多くの時間が必要だったので楽器としての実用性に乏しく、もっぱら研究用のモデルでしたが、最近の半導体技術の進歩で、リアルタイムで音が合成できるようになってきました。
撥弦のモデルとシミュレーション(ディジタルウェーブガイド)田中訳

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